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旅にはトラブルがつきものだ。


そんなとき、大事なことは何か。

それは、


「いかに冷静に、感情的にならずにトラブルの解決策を最優先で考えることができるか」


ということが大事だと思う。


しかし、時には感情をぶつけた方がトラブルを解決できる場合があるということを、イラン最終日に痛感する出来事があった。




それがないと気づいたのは、明日にはトルクメニスタンに入ろうとするときだった。


予想以上にトルクメニスタンビザ取得に時間がかかり、トルクメニスタンビザを受け取った時には、時間的に明日にはトルクメニスタンに入らなければまずい状況になっていた。
(トルクメニスタンビザは5日で、走行距離は500㎞のため時間的余裕がない。しかも、期限は国に入った日からではなく、あらかじめ申請した日でしか入れない)


仕方なく、イラン最後の大きなまち、マシュハドから国境まで180kmほど電車で移動することに。
しかし、電車に大きな荷物を抱えた自転車を乗せられるものか疑問だった。


そこで、宿でチェックアウトした後、荷物をフロントへ預け、駅へ事前に確認をしに行くことに。


この時、英語が通じず、多少トラぶった。

しかし、駅員とトラぶっているとなんと知ってる顔のスタッフがいるではないか。

その人は、駅へ入る前にまちで会って仲良くなっていた。
最終的にはその人の助けもあって自転車も持って入って大丈夫なことに。

つくづく旅では出会いに助けられる。


チケットを買った後(180km先の目的地でも、6万リアル、約200円。イランはバス、電車、タクシーが激安)、19時半の出発まで時間があったので、最後にまちを散歩したりして時間をつぶし、宿に預けていた荷物を受け取り、19時半、無事に国境に向けて出発。


正直、国境付近に泊まるとこなどあるのかわからず、かなり不安な気持ちのまま出発。

しかし、電車の中で近くの人に

「サラックス(国境付近のまち)、ホテル?」

と尋ねるとその人は、その車両にいた人だけでなく、隣の車両の人にまで、宿があるか聞きにいってくれた。


本当にありがとう。

彼によると、駅から4~5kmほどのところに宿が一つあるという。
料金は20万リアル(約630円)くらいらしい。

イランリアルは残り31万リアル(約千円)だったので、「助かった」という気持ちだった。


そして10時半ごろ、電車は国境付近の駅に到着。


本当に何もなかった。


あたりは真っ暗で街頭の灯りもない。
たった4~5㎞とはいえ、この暗闇の中自転車で移動しなければいけないと思うとぞっとした。


しかし、こんな何もない駅で一晩過ごす方が危険だ。

「行くしかない。」

と思い切ってペダルをこぎ始める。


駅を出るとすぐに暗闇に包まれた。
星が怖いほどきれいに輝いている。

「星が方角を示してくれるというのは本当なんだな」

と星座には全く詳しくないが、そんなことを思った。


しかし、あたりは暗闇である。
思い切ってこぎだしたはいいが、だんだん怖くてたまらなくなってきた。


前が見えない。
ヘッドランプで照らしているところがかすかに見える程度だ。


怖くてどうしてもスピードが出せない。


そんな時、2匹の野犬が近くを通るのが見えた。


野犬と昼に遭遇することはあるが、夜に遭遇したことはない。


「冗談じゃない。こんな真っ暗なところで襲われたらどうしようもないよ…。」


たまたまその2匹はヘッドランプを点滅させたら逃げていった。
が、夜に逃げない野犬に遭遇したらどうしたらいいのか見当もつかない。


とたんに怖くてたまらなくなり、恐怖から逃げるために、必至にペダルをこいだ。


前が見えない恐怖よりも、何かが自分の周りにいるかもしれない恐怖の方がずっと怖かった。


しかし、こいでもこいでも、全然教えられた宿に着かない。
確実に5㎞はこいだはずだ。

「いつになったら着くんだー!!!」

心の中で叫ぶ。
叫びたいが、叫ぶと野犬に見つかるので叫べない。

そんなとき、遠くで何匹もの野犬の遠吠えが聞こえた。


怖い。
逃げ出したい。


でも、どうしようもない。
立ち止まるわけにはいかない。
戻るわけにもいかない。


そんな恐怖に押しつぶされそうになっていた時、宿が現れた。

その宿が光り輝いて見えたのは、目の錯覚ではないだろう。



そして、ありがたいことに宿の人が僕のことを待っていてくれた。

どうやら、電車で一緒だった誰かが、この宿に電話をしてくれていたみたいだ。

電車であのやさしい人たちに出会っていなければ、宿の人も鍵を閉めて寝てしまっていたかもしれない。



しかし、料金を聞いて泣きたくなった。

「一泊、60万リアル(2000円)」


「なんでだー!一泊20万リアルって聞いてたよ。いくら国境とはいえ60万リアルは高すぎだろ。ってか、お金31万リアルしかないよ。。。」

そこから必至に事情を説明するが、まったく言葉が通じない。

しかし、なんとかわかってくれ、31万リアルで泊らせてくれることに。




しかし、部屋に入って思わず鼻を覆ってしまった。


部屋が糞尿のにおいでいっぱいなのである。

今までも何度もきたない宿やくさい宿にとまったことはあったが、ここまで臭い部屋は経験したことがなかった。

だが、おかしなことに部屋はすこぶるきれいなのである。


理由はすぐに分かった。
トイレが部屋についているのだが、そのトイレが水洗ではなく、いわゆるぼっとん式なのだ。

そのぼっとんにたまっているもののにおいが部屋に充満しているというわけである。

寒さかったが、そんなこと関係なく、窓を全開に開けた。


するとやはりというか当たり前に冷たい風入ってきた。


ひゅーっ。


「この部屋で一晩過ごすのか。」


思わずため息をついたが、息を吸い込んだ時にその香りが鼻に入ってきたので、鼻をおおいなおす。


くらくらした。

文字通り疲労困憊していた。


もう寝よう。寝て明日早くここを出よう。




そう思ってバックを開けたときだ…。


異変に気付いた。



「ない…。」


「パソコンがない…。」


それに気づいたときのショックは図り知れないものだった。

ショックのあまり、かなり長い間茫然と立ちつくしてしまった。


あのパソコンには、今までの写真がすべて詰まっている。

写真だけでなく、いろんな旅の情報も詰まっている。

ブログを書いたり、調べ物をしたりと旅になくてはならないものだ。



しばらくして、気持ちが落ち着いてくると今までの行動を振り始めた。


マシュハドの宿をチェックアウトする時には、確実にあった。

そして、荷物をフロントに預けた。

その後荷物を受け取り、ここまで来た。

ここまでくる途中荷物から離れたことはない。


ということは、、、、


「マシュハドの宿で預けている間に盗られたのか。。。」



すると、一人の疑わしい人物が自分の中で出てきた。


マシュハドの宿のオーナーだ。


彼を疑う理由はいくつもある。


一つ目は、彼は、何度も勝手に自分の部屋に入ってきて、しつこく、

「その携帯電話はいくらだ。そのパソコンはいくらだ。」

と聞いてきたのだ。


僕がいないのに勝手に部屋に入っていた時もある。
実際、同室にいた旅行者も携帯電話をその宿でなくしている。



二つ目は、フロントに預けていたにも関わらずなくなっているということだ。

フロントに荷物を預けているので、関係ない人が入ってきて荷物をあさることは難しいはずだ。
監視カメラがついているし、パッキングも完璧にしていて、バッグには盗難防止のためカバーもかけてあった。

仮に関係ない人が盗むならバックごと盗むはずである。


侵入し、たくさんあるバックの中から、奥に隠してしまっているパソコンだけを盗り、またバックを元通りにパッキングし、カバーをかけて、監視カメラやスタッフに見つからずに逃げるということは不可能に近い。


他にも、オーナーは、今日僕がイランを出てトルクメニスタンに入らないと時間的に厳しいことを知っているなど、疑うべき理由がたくさん出てくる。



オーナーが盗ったという可能性以外も考えたが、考えれば考えるほど、オーナーが容疑者の可能性が高まる一方だ。



そして、それは確信に変わり、確信した瞬間激しい怒りに変わった。



あいつだ。。。

絶対あいつだ。。。

ふざけやがって。どんだけ大切なものか知らないで。

今までどんな思いで旅をしてきたか知らないで。

全部思いが詰まったもんなんだぞ。

ふざけるな。絶対に取り返してやる。




その時の僕の怒りはすさまじいものだった。

今までたまっていたストレスや嫌な経験など、すべてが彼に対する怒りに変わった。




そして、次の早朝、僕はまた、マシュハドへ戻った。


そして、警察にすべてをぶちまけた。

警察は英語をしゃべれる人が一人もいなかったが、なんとか町で出会った英語が喋れる友達が助けにきてくれて、意思を伝えることができた。


そして、警察とともに、宿へ。

すると、やはりというべきかそのオーナーは今日は休みだという。


怒りくるっている僕は、状況が状況だとオーナーに電話をし、オーナーに来てもらった。


もちろんオーナーはしらを切る。


「パソコンがないと気付いたのは国境だろ。俺はやってない。国境で盗られたんだろ。」


「いや、国境まで荷物から目を一度も離していない。絶対にここで盗られた。
とにかく、監視カメラを見せろ。」


「いや、監視カメラは昨日の映像を記録していない。俺はやってない。俺がやったという証拠を見せろ。」


ふざけんな。

監視カメラで記録してないくせに、証拠を見せろなんて卑怯だ。
そんなことできっこないじゃないか。



その言葉がさらにいっそう怒りに拍車をかけた。

絶対に取り返してやる。


「とにかく警察署に来て話をするぞ。監視カメラの記録が残っていないのはそっちの責任だ。」


そこから警察署に行き話合うこと5時間。


最初は断固して認めなかったオーナーも、最後には折れた。


「わかった。まず、パソコンがなくなったどこへ行ったか私も調べよう。次にもし、見つけられなかったら変わりのパソコンを弁償しよう。最後に、変わりのパソコンが買えなかったら、お金を払おう。」


この条件で契約書にサインをし、話し合いの決着はついた。


というかこの条件をあなたが言ってきた時点で、どこにパソコンがあるか知ってるってことでしょ。



そして、宿に帰って3時間後。


オーナーがやってきて、


「ラップトップあったよ。掃除の人が隠し持っていたみたいだ。」


最後まで自分の責任を認めなかったことに対してまた怒りそうになった。

しかし、それ以上にもう怒りパワーも切れて、疲れきっていた。
何よりパソコンが無事に帰ってきたことがうれしかったし、問題は解決した。



今回はこれ以上怒れなかったが、時には怒りをぶつける交渉も必要なんだと痛感。



旅にトラブルはつきもの。

ただ、怒るのはしんどい。

もうあまりトラブルは起こってほしくないもんだ。
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